「襖の納まり」とは、「和室側から見た襖の正確な並び」であり、これを簡略図化したものを「襖の納まり図」と呼びます。我が国の長い歴史の中で培われた「襖の納まり」は、見た目の整いだけでなく、使い勝手をも大きく左右します。ご自宅の襖を観る際にも役立てて頂けるものと思っています。是非ご活用下さい。
簡略図からは、襖の枚数、鴨居敷居の溝数、引手の位置、マスとドブの位置などが読み取れます。
襖を作る際に、また住宅への取付工事をする際に欠かせない資料です。
尚、このページでご紹介する納まり図は代表的なものです。
納まり図を説明する用語を知る
- 引きタイプ:襖が1枚のもの
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- 引き分けタイプ:左右に襖を隠せる壁があるもの
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- 引違いタイプ:左右の襖が入れ替わるもの
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- 引込みタイプ:左右のどちらかに襖を隠せる壁があるもの
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- 押入れ:和室における収納
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- 間仕切り:部屋と部屋を仕切る襖
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マスの効果
襖の両端(縁)を比べてみると、片方だけ厚くなっていることがわかります。厚くなっている方を「マス」、厚くなっていない方を「ドブ」と呼んでいます。襖と襖は縁で重なります(右図参照)。それぞれの縁の内側に厚みを作る(マスを作る)ことで襖と襖の隙間を埋め、隣りの部屋に熱、光、風、音が漏れるのを防ぎます。マスは厚過ぎても薄過ぎてもいけません。数ミリ単位でなされる繊細な技です。
尚、「ドブ」「マス」という呼び名以外の呼び名もあります。(地域・世代によって異なる)
押入れ群
引きタイプ
引き分けタイプ
引違いタイプ
引込みタイプ
間仕切り群
引きタイプ
引き分けタイプ
引違いタイプ
引込みタイプ